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毎日新聞 2021/11/26 19:36(最終更新 11/26 20:18) 578文字




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萩生田光一経産相

 ロシアガス大手が主導する北極海での液化天然ガス(LNG)プロジェクト「アークティックLNG2」を巡り、欧州の金融機関が次々に撤退している問題で、萩生田光一経済産業相は26日の閣議後記者会見で「個別案件についてのコメントは控えたい」とした上で、「エネルギー安全保障上極めて重要と考える」と述べ、引き続き支援していく考えを示した。

 毎日新聞は24日、「アーク2」事業からイタリアの大手銀や独仏金融機関が離脱していることを報じた。国際協力銀行と協調融資する方針だった三井住友銀行も一度は撤退を検討したが、経産省が「国策」事業である旨を説明した書状を提出したこともあり、再び融資方針を固めた。



 欧州の金融機関が撤退する背景には、気候変動問題が深刻視される中で天然ガスへの資金拠出にも厳しい視線が注がれるようになったことがある。萩生田氏は天然ガスを巡る批判について「(脱炭素燃料の)水素の製造に使うほか、CCUS(排出された二酸化炭素=CO2=を捉えて再利用する新技術)も含めて技術的に(排出問題を)解決すると国際社会に宣言している」と理解を求めた。アーク2事業については「LNG調達先の多角化に貢献し、北極海航路という日本にとって新たなルートを確立して長期かつ安定的にLNGを供給できる」と述べ、資源小国の日本にとって重要な事業であるとの認識を示した。【岡大介】