https://www.jiji.com/jc/article?k=2021112600959
2021年11月26日20時32分





 北陸先端科学技術大学院大(石川県能美市)と雷対策の機器を手掛ける音羽電機工業(兵庫県尼崎市)などは26日、炭素素材の「グラフェン」を利用した小型センサーを開発したと発表した。高精度の落雷予測の実現が期待できるという。


 雷は雲の中で氷の粒同士が衝突して蓄えられた静電気が、地上に向けて放電されて起きる。予測には、雷雲と地上との間で生じる大気中の電界を計測する必要があるが、従来の装置は大型で、広域で高密度の監視網をつくるのは難しかった。
 北陸先端科技大の水田博教授らは、雷雲による大気中の電界のわずかな変化も検出するグラフェンの性質を利用。100分の1ミリサイズのセンサー素子を作った。
 電源や記録装置などと組み合わせた実証実験では、約20キロ離れた地点の落雷の検出に成功。近くの落雷を30分前に予測することもできた。低消費電力で太陽電池でも動くため、発展途上国などの落雷予測にも貢献できるという。