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2021年11月27日13時31分

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霞が関の官庁街。右手前は経済産業省=2018年8月、東京都千代田区




 「仕事が遅いね。どうなっているんだ」はNG―。内閣人事局は国家公務員の管理職を対象にしたマネジメントに関する手引きを初めて作成した。近年、「ブラック」職場とも呼ばれる霞が関。有能な若手職員が退職する事態も問題になっている。NGと適切な対応の両方を例示し、働きやすく、やりがいを感じられる職場づくりにつなげる狙いだ。
 手引きは内閣官房のホームページで公表。「マネジメントは管理職にとって、もはや『できればいい』ではなく、『必須の』スキル」と位置付けた。
 悪い管理職の見本として、幹部からの要求に応えることで頭がいっぱいで、頼みやすい部下にばかりどんどん仕事を振る▽部下に仕事を丸投げして最後に報告を受けるだけ▽若手の残業は当たり前だと思っている―などを挙げた。
 部下の能力を引き出すため、管理職に求めるコミュニケーションの実践方法も明示。「話を途中で遮る」「不機嫌そうな態度」などをNGとして挙げた。
 部下を褒めるときに「さっきの説明よかったよ」と言うだけでは不十分。努力やプロセスも含めて結果を具体的に評価するよう助言し、「事前に相手が疑問に思いそうなポイントを整理していたので、簡潔に要領よく説明することができましたね」といった言い換えの例も紹介している。
 国家公務員をめぐっては、1996年に4万5254人だったI種(現在の総合職)の志望者は、2021年に1万7411人まで減少。内閣人事局が実施した意識調査によると、30歳未満の男性職員の7人に1人、女性の10人に1人が数年以内に辞めたいとの意向を示す結果も出ている。