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毎日新聞 2021/11/28 05:30(最終更新 11/28 05:30) 868文字




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パリ行きのエールフランス機への登場を待つ人々=南アフリカ・ヨハネスブルクで2021年11月26日、AP

 世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」を「懸念される変異株」と指定したことを受け、米国がアフリカ南部8カ国からの外国人の入国を29日から原則禁止するなど、各国は入国規制などの対応を急いでいる。

 バイデン米大統領は26日の声明で「新たな変異株のニュースは、世界中でワクチン接種が進むまで、このパンデミック(世界的大流行)は終わらないということをより明確に示した」と指摘。ワクチン接種の促進が重要だとして、ワクチン関連の特許権など知的財産権の一時停止に賛同するよう各国に呼びかけた。



 米メディアによると、入国規制の対象は南アフリカ、ボツワナ、ジンバブエ、ナミビア、レソト、エスワティニ、モザンビーク、マラウイの計8カ国。米国は11月8日、新型コロナのワクチン接種と陰性証明を条件に欧州や中国、南アなどからの外国人の入国禁止措置を解除したばかりだった。

 バイデン氏は感謝祭(25日)休暇のために東部マサチューセッツ州のナンタケット島に家族と滞在中だが、26日朝にファウチ大統領首席医療顧問らからオミクロン株について報告を受け、入国規制を決めた。



 また、英政府は南アなど南部アフリカ6カ国からの入国禁止措置を25日に発表。日本政府も26日、6カ国からの入国者について、宿泊施設で10日間の待機を義務づけると発表した。

 カナダ政府も過去14日間に南アなどアフリカ7カ国に渡航歴がある外国人の入国を26日から禁止。帰国するカナダ国民には、指定ホテルと自宅で計14日間の隔離を義務付ける。



 さらに、欧州連合(EU)加盟国は26日、南部アフリカ各国からの渡航を停止する措置を取ることで一致。イスラエルメディアによると、同国政府も南部アフリカ7カ国からの入国禁止を決め、過去2週間以内の帰国者には自宅隔離を要請した。

 このほかオーストラリア政府も27日、南アなどに滞在した外国人の入国禁止を発表。フィリピン政府も26日、南アなどからの航空機の乗り入れを即時停止すると発表した。【ワシントン秋山信一、ニューヨーク隅俊之】