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[ 2021年12月2日 05:30 ]

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閑散とする羽田空港国際線ターミナルの到着ロビー
Photo By 共同

 政府は1日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」について、国内で2例目となる感染を確認した。2日続けて新たな変異株が国内で確認され、水際対策を矢継ぎ早に打ってきた政府に衝撃が走った。

 新たに確認された感染者はペルーからカタール経由で11月27日に日本に入国した20代男性。現在は医療機関で隔離されている。厚生労働省によると、男性はファイザー製ワクチンを2回接種済みだった。到着時は無症状だったが、その後熱や喉の痛みが出て検疫によって確認された。飛行機に同乗していた乗客114人も濃厚接触者として扱う。空港の検疫ではいずれも陰性で、厚労省が全員分の健康状態を継続的に調べている。東京都では40人を超える濃厚接触者が確認された。

 政府は11月30日午前0時から、全世界を対象に外国人の新規入国を禁止した。しかし、その日の午後にナミビア人外交官の感染を確認。2例目となった男性の入国は27日で、水際措置の強化前かつ外交官より早く入国していた。官邸筋は「先手を打っているつもりが後手に回っている。それがコロナ対応の難しいところだ」とうなだれた。

 政府が水際措置を取る中で例外的に認める条件となる「特段の事情」も厳格に適用する方針だ。国内では来年2月の北京冬季五輪の前哨戦となるフィギュアスケートのグランプリファイナルが9〜11日に控えており、対応が焦点となっている。これに関し松野博一官房長官は記者会見で「当面の個別大会の取り扱いについて、現在検討中だ」と述べた。またワクチンの3回目接種に関して「原則2回目から8カ月以上」としていた間隔の前倒しを検討していく考えを示した。

 《国際線予約を年内停止》国土交通省はこの日、日本に到着する国際線の新規予約を12月末まで停止するよう各航空会社に要請。全日本空輸と日本航空は要請を受けて、日本に到着する全ての国際線の新規予約受け付けを停止。日本人も対象で予約していなければ原則、年内の帰国ができなくなる。