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毎日新聞 2021/12/2 10:39(最終更新 12/2 11:48) 465文字




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帆に風を受けて航行するウインズ丸。この時に電力を作り水素を生産している=長崎県佐世保市の大村湾で2021年12月1日午前11時37分、綿貫洋撮影

 商船三井(東京都)は1日、風力と、風力でできた水素発電エネルギーだけで航行するゼロエミッション(CO2排出ゼロ)のヨットの実証実験を長崎県の大村湾で始めた。自然エネルギーのみで航行する船舶を目指す実験で、国内最先端の取り組みに注目が集まる。

 プレジャーヨットを改装した「ウインズ丸」は長さ約12メートル、総トン数7・9トン。船内に水電解装置、水素ガス検知器などの機材を積んでいる。風がある時は帆を張って航行すると同時に、水中に設置した発電タービンで電力を作り船内で水素を生産して貯蔵。風がなくなった時は貯蔵した水素で水素燃料電池で発電させて推進力とする。



 大村湾では第1段階として来春までに水素の生産、貯蔵、消費サイクルの実験を実施。第2段階は2024年までに船長60〜70メートル級の水素生産船の建造、第3段階は30年までに大型貨物船の建造を計画している。

 ゼロエミッション船の開発は商船三井が業界をリードしているといい、記者会見した同社の山口誠・執行役員は「ここでデータを蓄積して次のステップへいきたい」と話した。【綿貫洋】