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毎日新聞 2021/12/2 13:55(最終更新 12/2 13:55) 733文字




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閉鎖された「つくばインターナショナルナーサリースクール」=茨城県つくば市鬼ケ窪で、宮田哲撮影

 茨城県つくば市の認可外保育施設「つくばインターナショナルナーサリースクール」が先月25日に突然閉鎖され、預け先を失った保護者の戸惑いの声が市に寄せられている。帝国データバンク土浦支店によると、運営会社のピアソン(同市)は来年度分の保育料を集めていたにもかかわらず自己破産申請の準備に入っており、市は保護者らに別の保育施設を紹介するなど、対応に追われている。

 県と市によると、同施設が県に設置を届け出たのは2003年7月。現行では定員126人の認可外保育施設として未就学児を預かっていたほか、英語教育を前面に押し出し、実質的な学童保育も行っていた。



 市によると、保護者から「ナーサリーが閉鎖される」などと連絡があったのは11月25日。保護者宛てに同24日、郵便で「25日で事業を終了する」と連絡があったという。

 25日時点で未就学児34人が施設を利用しており、市幼児保育課には「子どもの預け先がなくなってしまう」「保育料を先払いしている」などの相談が約20件寄せられている。市は複数回にわたって訪問などで連絡を試みたが、1日時点でも園長らと連絡は取れていない。



 同施設は今年3月、市の定期監査で、保育士の資格証や、調理担当者への検便検査の実施が確認できないなどの不備を指摘されていた。市が改善報告書の提出を繰り返し求めたにもかかわらず、回答は今も得られていないという。

 帝国データバンク土浦支店は1日、ピアソンが自己破産申請の準備に入ったと発表。同支店によると、ピアソンは周辺の同業施設との競合で業績が低迷、資金繰りのため来年度分の保育料を保護者から前もって集めるなどしていたが、施設の賃料を払えない状態が1年以上続き、事業の継続を断念したと説明している。【森永亨】