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2021/12/02 18:55



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台湾最南端の屏東県鵝鑾鼻(ガランピ)で見つかったカツオドリ=facebook.com/ocaoactaiwanから

(高雄中央社)台湾最南端の屏東県鵝鑾鼻(ガランピ)で今年10月に見つかったカツオドリが、20年前に小笠原諸島で放たれた個体だったことがその後の調査で分かった。海洋委員会海洋保育署が1日、フェイスブックで明らかにした。今後、標本にされ、教材として利用される予定。

フェイスブックの投稿によると、カツオドリは10月14日、岩場にいるところを行楽客によって発見された。足環をつけており、写真撮影のために近づいても逃げなかったという。南部で生息が確認されるのは珍しく、発見場所が釣り場だったことから、手助けの必要がないか同署の職員が翌朝に現地へ急行。だが、到着した際にはすでに死んでいた。

同署職員が足環の情報を手掛かりに山階鳥類研究所(千葉県)に連絡したところ、2001年9月2日に小笠原諸島で放たれたメスだと分かった。一般的にカツオドリは長距離移動をしない海鳥とされており、鵝鑾鼻まで少なくとも2200キロを飛んで来た詳しい理由は分かっていない。

台湾大学での解剖の結果、胃腸の中は空で、頭蓋骨から耳の穴まで出血が確認された。脾臓は炎症を起こし、甲状腺腫の石灰化や食道のただれが見られた。獣医は、高齢による衰弱に加え、台風などで何かにぶつかり死んでしまったのではないかとの見解を示した。

同署では標本は環境教育の教材として使うとしている。

(洪学広/編集:齊藤啓介)