0001ひよこ ★ [BR]
2021/12/02(木) 22:33:19.27ID:ClYADDtX92021/12/2 20:29
産経WEST
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あいりん総合センターの敷地内には立ち退きへの抗議を示す看板が置かれていた＝２日午後、大阪市西成区
閉鎖中の大阪市西成区の複合施設「あいりん総合センター」をめぐり、大阪地裁は２日、敷地を不法に占拠しているとして野宿者らに立ち退きを命じる判決を出した。地域活性化の拠点として建て替えを進めたい大阪府側の訴えを全面的に認める内容となったが、センターは日雇い労働者の「寄せ場」や、さまざま理由から路上生活を続ける人のよりどころとなっていた実情もある。野宿者ら側は控訴する構えで、あいりん地区の「シンボル」をめぐる法廷闘争はまだ続く見通しだ。
開発の陰で
「いばしょを守るぞ」「みんなと団結だ?」
ＪＲ新今宮駅南側に立地するセンター。１階の出入り口はすべてシャッターが下ろされ中には入れないが、外周の敷地内にはうずたかく積まれた段ボールや廃品、ブルーシートとともに立ち退き請求への抗議を記した看板が掲げられている。
センターは昭和４５年に府と市、国の共同で建設。仕事を求める多くの日雇い労働者と仕事をあっせんする業者が集まる「寄せ場」としての役割のほか、病院や市営住宅などが入り、あいりん地区の中心的な施設として長年親しまれたが、管理する府は平成３１年４月、建て替えが必要だとして必要な機能は仮移転した上でセンターを閉鎖した。
耐震性の低さや老朽化を建て替えの理由に挙げる府側だが、野宿者らに立ち退きを求めて訴訟にまで発展した背景には、２５年度から周辺で進められている「西成特区構想」がある。
生活保護受給者比率の高さや高齢化が進む西成区の課題を解消するため、大阪市が中心となって推進している構想で、教育・子育て支援の強化や治安の改善などを目指すことが目的。そのため、建て替え後のセンターには閉鎖前の労働支援機能に加え、周辺住民の利用を想定した多目的な施設も入居させる方針を示している。
構想に連動して、周辺では民間による開発も進む。高級旅館・リゾートホテル運営の「星野リゾート」（本社・長野県）は、新今宮駅北側で来年４月に都市観光ホテル「ＯＭＯ７（おもせぶん）大阪ｂｙ星野リゾート」を開業する予定。１４階建てで白塗りの外観がすでにでき上がり、老朽化した駅南側のセンターとは対照的な姿を見せる。
苦境の野宿者
こうした再開発の動きや訴訟の動きに、野宿者らの思いは複雑だ。
センター周辺で約１０年前から暮らしているという男性（６７）は以前は日雇い労働で生計を立てていたが、糖尿病で足の指をなくしたため、古本や繊維製品を拾い集めて生活。つえを突きながら午前０時ごろから約６時間、廃品を探し回って手に入るのは千円程度で、スーパーで値引きされた食品や支援団体の差し入れで食べつなぐ。
立ち退きを命じた大阪地裁の判決に対して野宿者ら側が控訴する方針を示す中、男性は「何年も前から立ち退きを求められ、いずれ出ていくしかないと思っていた。生活保護の世話にはなりたくないので路上生活を続ける。邪魔にならないところを探さないと」と話していた。
男性から古本を買い取って支援する西成区の男性（６４）は「高齢者が多く生活再建が難しいホームレスを立ち退かせるのであれば、その後の支援を充実させないと根本的な解決にはならない」と訴えた。（山本孝志）
