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2021年12月04日07時06分




 政府・与党は3日、2022年度税制改正で焦点となっている住宅ローン減税の見直しについて、現在1%の控除率を一律に引き下げる方向で調整に入った。具体的な下げ幅や控除期間の延長幅を今後議論し、来週取りまとめる22年度与党税制改正大綱に盛り込む考え。減税規模を維持できるかが注目される。
 現行の住宅ローン減税では、年末の借入残高の1%が所得税などから控除される。控除期間は原則10年間、特例で一部は13年間となっている。しかし低金利を背景にローンの金利が1%を割り込むことが多く、会計検査院は控除額が支払利息額を上回る「逆ざや」を指摘していた。
 逆ざやを防ぐための見直しでは、控除額の上限をそれぞれの支払利息額に合わせる「キャップ制」を導入する方法もあった。しかし政府・与党は事務が煩雑になると判断。簡素な制度にするため、一律に控除率を引き下げることにした。
 業界団体からは「減税規模を縮小すれば住宅投資が冷え込み、経済全体に影響する」との指摘がある。そのため政府・与党は、具体的な控除率の下げ幅や、控除期間の延長についてさらに調整する。政府内には控除率を0.7%に引き下げ、期間を15年に延ばす意見がある一方、将来的な減税規模の縮小を求める声も出ている。