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毎日新聞 2021/12/4 09:49(最終更新 12/4 09:49) 556文字




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梅毒発生届件数

 性行為などで感染する梅毒患者が急増している。大分県感染症対策課によると、今年は既に44人の感染が確認され、うち20〜40代が7割。現在の方法で統計を取り始めた1999年以降、最多となった。梅毒は早期に治療すれば完治するといい、同課は不安があれば保健所で検査するか、医療機関で受診するよう呼びかけている。

 梅毒は、細菌の梅毒トレポネーマが原因の感染症。主に性行為による接触で感染する。3〜6週間の潜伏期間を経て性器にしこりや潰瘍ができて、放置すると全身に多様な皮疹、粘膜疹などが出現する。脳や心臓に障害が出たり、妊娠中に感染すると、母を通じて胎児に障害が出たり死亡したりすることもある。



 全国の梅毒感染者は2013年に1000人を突破すると、18年には7000人を超えた。県内では15年に前年比7人増の12人、18年には同2倍の36人に増えた。今年の感染者44人(11月17日現在)のうち20〜40代は32人。そのうち男性が25人だった。

 同課によると、性風俗店の利用を介して感染するケースが多くみられ、感染者が無症状のまま別の場所で感染を広げることもあるという。担当者は「予防は感染者との性行為を避けることが基本。コンドームの使用でリスクを軽減できる。感染しても早期の治療で完治は可能」と説明した。【津島史人】