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2021年12月10日07時07分

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韓国与党「共に民主党」の大統領選候補、李在明前京畿道知事=11月10日、ソウル(AFP時事)

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韓国野党「国民の力」の大統領選候補、尹錫悦前検事総長=11月12日、ソウル(AFP時事)




 【ソウル時事】韓国大統領選まで9日であと3カ月。各世論調査では革新系与党「共に民主党」候補の李在明前京畿道知事と保守系最大野党「国民の力」候補の尹錫悦前検事総長の支持率がほぼ並び、接戦を展開している。対日関係など外交路線の違いも明確になってきたが、論戦は低調。「政権交代か政権継承か」以外の争点が見えにくい選挙戦となっている。


 対日関係をめぐっては、李氏は歴史・領土問題と経済などの協力を分離すると主張しつつ、日本側の謝罪が必要と強調。「日本は信頼できる友好国なのか」と警戒心も示す。これに対し尹氏は関係改善に意欲を示し、反日世論を政治利用しないと表明している。
 ただ、両陣営とも争点化には慎重だ。李氏陣営の外交ブレーン、金峻亨前国立外交院長は「政権を取れば実用的に動く」と語り、「対日強硬」イメージを修正したい意向をにじませた。李氏陣営関係者は「外交経験のない李氏の考えが生煮えのまま発信された側面がある」と説明。「外交は前面に出さない方針。特に対日関係は、批判し過ぎても問題、『親日』イメージになるのも問題だ」と曖昧なスタンスを取りたい考えを示した。
 対日関係改善が容易ではないという現実認識も作用しているもようで、尹氏は懸案の元徴用工問題の解決策に言及していない。尹氏陣営関係者は「今から解決策を明らかにするのはプラスにならない。尹氏も詳細にはあえて立ち入らないようにしている」と語った。
 北朝鮮政策も、南北協力を強調する李氏に対し、尹氏は核問題と日米韓の連携を重視し、温度差があるが、これまで対立軸として注目されていない。
 両候補とも中道層への支持拡大が重要課題で、内政・外交問わず極端な政策を主張しづらくなっている。尹氏は6日、「100のうち99(考えが)違っても、政権交代一つだけ同じなら力を合わせるべきだ」と述べ、「政権交代」に争点を絞りたい意向を示した。李氏も全国民に一律の家計支援を行う持論の「基本所得」について「国民の意に反して強行しない」と後退させるなどブレが目立つ。