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毎日新聞 2021/12/16 18:24(最終更新 12/16 18:35) 591文字




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記者会見する木村響子さん(中央)=東京都内で2021年12月16日午後3時19分、遠山和宏撮影

 フジテレビの人気番組「テラスハウス」に出演し、SNS(ネット交流サービス)で中傷され昨年5月に急死したプロレスラーの木村花さん(当時22歳)の母響子さん(44)が16日、東京都内で記者会見し、フジテレビや制作会社に対し損害賠償を求める訴訟を起こす方針を明らかにした。「出演者の人権が守られていたのか、明らかにしたい」としている。

 提訴に先立ち、番組の未編集映像や台本などの証拠を保全するよう8月に東京地裁に申し立て、認められたことも明らかにした。代理人弁護士によると、地裁は今月10日に制作会社に映像と台本などを提示するよう命じたが、制作会社は拒否したという。命令に強制力はなく、響子さん側は今後起こす訴訟の中で「文書提出命令」を出すよう地裁に求めていく方針。文書提出命令に従わない場合、証拠を提出しなかったとして裁判で不利に扱われる。



 響子さん側は、フジテレビや制作会社が出演者をおとしめる意図的な編集をし、中傷された後の対応も不十分だったとしている。損害賠償の請求金額は未定で、提訴時期は来年中としている。響子さんは「どういう理由で花が追い詰められたのか、番組の問題点を明らかにしたい」と話した。

 フジテレビは「証拠保全の決定については適切に対応していく。提訴については現段階でコメントを控える」とした。制作会社は「係争中につき全てコメントを差し控える」と述べた。【遠山和宏】