https://mainichi.jp/articles/20211217/k00/00m/040/086000c

毎日新聞 2021/12/17 12:53(最終更新 12/17 12:53) 808文字




https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/12/17/20211217k0000m040088000p/9.jpg
ハグで「宇宙人U」を歓迎する女将の諌山さん=日田市のみくまホテルで2021年12月16日午後2時15分、津島史人撮影

 「おんせん県おおいた」をPRする大分県が、宇宙をテーマにした新たなシティープロモーション「宇宙ノオンセン県オオイタ」を始めた。米企業と提携して計画する大分空港の水平型ロケットの打ち上げ拠点(宇宙港)化の取り組みと連動し、その魅力を内外へアピールする。

https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/12/17/20211217k0000m040089000p/9.jpg
「歓迎 宇宙人御一行様」の看板=日田市のみくまホテルで2021年12月16日午後1時57分、津島史人撮影

 日田市の「みくまホテル」には16日、「歓迎 宇宙人御一行様」と書かれた看板が出された。現れたのは、つり上がった目、卵形の頭をした「宇宙人U(ゆー)」。速足で歩く先はトイレの前。「宇宙人の男性」を意味するピクトグラム(絵文字)を確認し、安心した様子で中に入った――。



 この日、報道関係者に公開されたプロモーションの一幕だ。Uは「湯」から名付けられた呼び名で、星巡りをする途中で大分に立ち寄ったという設定だ。PR用のポスターは、日本語と宇宙語の両方を用意した。

https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/12/17/20211217k0000m040090000p/9.jpg
日本語(両端)と宇宙語(中央)のポスター=日田市のみくまホテルで2021年12月16日午後10時59分、津島史人撮影

 新たなプロモーションには16日現在で県内45の宿泊施設が参加。来年2月まで、県内の旅館やホテルで「自分は宇宙人です」と自己申告すれば特典が受けられる「宇宙割」を展開する。



 宿泊する際、宇宙人であれば、お菓子や炭酸水、「宇宙ドリンク」の提供、中には宿泊割引をする施設もある。インターネットで「宇宙ノオンセン県オオイタ」と検索すると、Uの入浴シーンなどの動画を「目撃情報」として見ることもできる。

 Uをハグして歓迎した同ホテルの女将(おかみ)、諌山節子さん(71)は「宇宙人を、どうやってもてなそうか一生懸命考えてます」とほほ笑んだ。




https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/12/17/20211217k0000m040091000p/9.jpg
ピクトグラムを確認してトイレに入る宇宙人U=日田市のみくまホテルで2021年12月16日午後2時1分、津島史人撮影

 県は20年4月に米企業「ヴァージン・オービット社」と提携。同社は小型人工衛星を格納したロケットを大型航空機に装着し、空中でロケットを発射する「水平型」打ち上げ方式を確立し、2022年以降に大分空港での打ち上げを実現したいとしている。

 県によると、プロモーションは、宇宙への動きと合わせてコロナ禍や豪雨災害でダメージを負った宿泊施設を元気づける狙いもあるという。【津島史人】