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毎日新聞 2021/12/17 15:49(最終更新 12/17 15:50) 576文字




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火災があったビルの前で活動する消防隊員ら=大阪市北区で2021年12月17日午後0時42分、山崎一輝撮影

 17日午前10時20分ごろ、大阪市北区曽根崎新地1の8階建て雑居ビル「堂島北ビル」で、「4階が燃えている」と多数の通行人らから119番が入った。大阪府警や市消防局によると、4階には心療内科と精神科の医療機関「西梅田こころとからだのクリニック」が入っている。火は約30分後にほぼ消し止められたが、男女28人が負傷し、うち27人が心肺停止の状態になっている。府警は現場の状況から放火事件の疑いが強まったとして捜査を始めた。

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火災のあった個室ビデオ店の入り口(中央)をシートで覆う警察官=大阪市浪速区で2008年10月1日午前7時、小松雄介撮影

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 2001年9月には東京都新宿区歌舞伎町1の雑居ビルで火災が起きた。3階のマージャンゲーム店と4階の飲食店が全焼し、客や従業員計44人が一酸化炭素中毒などで死亡した。火元とみられる3階エレベーターホール付近に火の気はなく、警視庁は放火の疑いが強いとみているが、犯人は分かっていない。この火事ではビル内の通路や階段に大量の荷物が放置されていたため防火扉が閉まらず、ずさんな防火管理が被害を広げたと指摘された。ビルを所有する会社の実質経営者らが業務上過失致死傷の罪に問われ、有罪判決が確定している。



 08年10月には大阪市浪速区難波中3の雑居ビル1階に入る個室ビデオ店から出火し、客16人が死亡した。当時店にいた小川和弘死刑囚=第2次再審請求中=が火をつけたとして、殺人や現住建造物等放火などの罪で死刑が確定している。【小林慎】