https://www.sankei.com/article/20211217-OBL4IPIZNVKEJCYXOO6PUBMPQ4/
2021/12/17 19:04


インターネット上に投稿されたコメントで名誉を傷つけられたとして、「少年革命家 ゆたぼん」の名前で活動するユーチューバーの少年(13)が北海道に住む30代男性を相手取り慰謝料など60万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、東京地裁であった。岩田真吾裁判官は「社会通念上許される限度を超えた侮辱行為」として、男性に33万円の支払いを命じた。

少年は、小学生の時に不登校となった経験を踏まえ「不登校は不幸じゃない」などのメッセージをユーチューブで発信している。

判決などによると、男性は昨年7月27日、ニュースサイト「ニコニコニュース」に掲載された少年に関する記事のコメント欄に「このゴミガキ定期的に上がるけどさ、マジで学校行ってないの?」「5年後一家心中とかで馬鹿にされそうだわ」などと匿名で投稿した。

判決理由で岩田裁判官は、表現の内容や回数などから「少年の人格的利益を侵害した」と認定した。

判決後に産経新聞の取材に応じた少年の父、中村幸也さんによると、少年に対するネット上での誹謗(ひぼう)中傷は、少年がメディアに取り上げられるようになった令和元年ごろから急増。これまでに投稿者が謝罪するなどして示談に至ったケースだけでも50件超に上るといい「裁判費用は完全に赤字だが、『匿名なら何でも書き込んでいい』というネット環境を変えたい」と訴えた。

少年側の代理人弁護士の福永活也氏は「投稿者は『匿名だから』と気軽に書いているケースが多い。誹謗中傷は誰も得をせず、不幸しか生まれない」と話している。