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2021年12月18日07時16分

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W杯アジア予選を視察するFIFAのインファンティノ会長(前列中央)とベンゲル氏(後列中央)=9月7日、カタール・アルワクラ(AFP時事)

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サッカーJリーグの原博実副理事長




 5月に国際サッカー連盟(FIFA)から出されたワールドカップ(W杯)の隔年開催案は、大論争を巻き起こした。FIFAは競技普及部門のトップで、日本でもなじみのあるアーセン・ベンゲル氏を中心に推進するものの、欧州などが強硬に反対している。
 日本協会の技術委員長や専務理事を歴任したJリーグの原博実副理事長は「FIFA対各国リーグ、欧州、南米連盟。縮図で言うとそういう対決」と話す。北中米カリブ海、アフリカは賛成。アジアは表向き賛同しているが、一枚岩ではない。
 FIFAは大陸間や協会間の格差是正を課題に掲げるが、「全くリーグが発達していないところに呼び掛けて、『良いよね?』と。議論したいと言っているのは中東のスポンサー、放映権が絡んでいるところ」と原氏。実際、5月の総会で提案したのはサウジアラビア協会だった。
 「FIFAは当然、W杯をやれば収益が上がる」。収入の大部分を占めるW杯を現在の4年に1度から隔年に回数を増やせば、それだけ増収が見込める。ただ、現在も各国リーグは各地域の大会との日程調整が大変で、W杯が2年に1度になればさらに大幅に修正する必要が出てくる。
 原氏は「リーグに何も予告もせず、良い案だろうみたいにベンゲルさんから出てきて、みんな激怒している。あまりに幼稚すぎる提案の仕方」と指摘。「多数決でFIFAが決めたとしても、リーグ戦の日程はリーグが決めるよとなれば、それ以上進まなくなると思う」
 隔年開催となればW杯の価値が下がるという声もある。猛反発を受けて立ち消えになった「欧州スーパーリーグ」構想と同様、ファン置き去りの議論にも映る。