0001ひよこ ★ [CA]
2021/12/18(土) 16:24:11.08ID:bbveywE69毎日新聞 2021/12/18 15:12(最終更新 12/18 15:12) 1037文字
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天文学との出会いについて語る関さん=高知市追手筋2のオーテピア高知図書館で2021年12月8日午後2時50分、北村栞撮影
高知県香美市教委はこのほど、高知市のアマチュア天文家・関勉さん(91)が発見した小惑星に「Tanijinzan(谷秦山)」と名前が付いたと発表した。11月初めに関さんが国際天文学連合(IAU)に申請し、同29日にIAUから命名が発表された。【北村栞】
小惑星「Tanijinzan」は12月2日現在、オリオン座内にあり、地球からの距離は約2億6000万キロ。明るさは17・1等と非常に暗く、肉眼では見えない。1993年11月15日に関さんが県立芸西天文学習館(芸西村和食甲)で発見した。
関さんはこれまでに200個を超える小惑星を発見しているコメットハンターで、小惑星には香美市にちなんだ名前も多く付けられている。今年5月には「Kamishi(香美市)」の名も付いた。今回命名された「谷秦山」は江戸時代の天文・暦学者で市内に墓所があり、受験シーズンには多くの受験生が合格祈願に訪れるスポットにもなっている。
市教委生涯学習振興課の宇根由紀さんは「(市ゆかりの名前が付くのは)ありがたい。香美市の星空もきれいなのでこれをきっかけに知ってもらえる機会を作っていきたい」と話した。
天体発見、これからも
開館40周年を迎えた芸西天文学習館(芸西村和食甲)の記念セレモニーがこのほど、オーテピア高知図書館(高知市追手筋2)であり、これまで数多くの小惑星や彗星(すいせい)を発見し、11月にも自身が発見した小惑星に香美市ゆかりの「Tanijinzan(谷秦山)」の名前が付いたコメットハンターの関勉さん(91)が講演した。
同館は1981年4月に開館。関さんらが講師を務め、季節ごとの天文教室や流星群の観測会などを開いている。
関さんは天文に関心を持ったきっかけなどについて講演。天文学と出会ったのは高校生の時で、戦後の暗たんとした時代に日本の天文学者が新しい天体を発見したという新聞記事を見た。「無数の星の中に自分の名前がついてそれが永久に残るなら、こんな素晴らしいことはない」と天文の世界へ足を踏み入れたという。
望遠鏡が無かったため、図書館に通って光学を一から勉強し、老眼鏡のレンズと虫眼鏡を使って望遠鏡を自作したというエピソードも披露。最初に新たな天体を発見するまで21年の歳月を要したことに触れ「やはり物事は忍耐ですね」と話した。最後には「できるだけ多くの天体を発見したい。若い人々の指導にも当たっていきたい。それが私の大きな夢」と今後の活動にも意欲を見せた。【北村栞】