https://www.jiji.com/jc/article?k=2021121900279
2021年12月19日18時58分




 リニア中央新幹線静岡工区のトンネル掘削工事に伴う大井川の水資源への影響をめぐり、国土交通省の有識者会議は19日、中間報告をまとめた。導水路などを設け、工事により発生した湧き水を全て大井川に戻せば、「中下流域の河川流量は維持される」と明記した。有識者会議は流域の生態系への影響も議論し、最終報告を策定する予定だ。


 静岡県の難波喬司副知事は会議後の記者会見で、中間報告を評価し、中断しているJR東海との協議を再開する考えを示したが、県内での工事実施のめどは立っていない。
 中間報告は、中下流域の地下水についても「影響は極めて小さいと推測される」とした。一方で、工事により、想定していない場所で突発的に湧き水が発生し、流量が減るリスクもあると指摘。モニタリング結果を静岡県や専門家などと共有する体制の構築を求めた。住民の不安や懸念に対しては「(JR東海が)真摯(しんし)な対応を継続すべきだ」と強調した。