https://www.jiji.com/jc/article?k=20211220042420a&;g=afp
2021年12月20日13時00分

https://www.jiji.com/news2/afpnj/photos/AFP042420_00.pre.jpg



【AFP=時事】旧ソ連のジョージアで10月に逮捕・収監されたミヘイル・サーカシビリ元大統領(53)について、医師団は18日、「拷問や虐待」を受け、深刻な健康状態にあると発表した。(写真は2007年のデモ鎮圧をめぐる裁判に出廷したサーカシビリ元大統領)
 サーカシビリ氏は親欧米派の改革者として、2004年から13年まで大統領を務めた。退任後はウクライナに亡命していたが、10月1日にひそかに帰国。亡命中に職権乱用罪で有罪判決を受けており、直後に逮捕された。
 サーカシビリ氏は有罪判決について、政治的動機に基づくものだと非難している。収監後、抗議のハンガーストライキに入ったが、命に関わるほど体調が悪化。11月に東部ゴリ(Gori)の軍病院へ搬送され、50日間に及ぶハンストを終了していた。
 サーカシビリ氏を診察した医師団は、「拷問、虐待、不十分な治療、長期間のハンスト」の結果、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など複数の精神疾患を発症していると発表。医師の一人はAFPに、「必要のない抗精神病薬を誤って処方され、健康状態がさらに悪化した可能性がある」と語った。
 サーカシビリ氏も11月、殺害の脅迫や睡眠妨害、身体的虐待をはじめとする心理的な拷問を受けたと主張していた。
 独立系テレビ局ピルベリTVによると、刑務所内では受刑者たちがサーカシビリ氏に脅迫の言葉や罵声を浴びせたという。これについてサーカシビリ氏は「刑務所当局が仕組んだことだ」と主張している。同氏は大統領在任中に、組織犯罪の取り締まりに積極的に取り組んでいた。
 ジョージア司法省は11月、サーカシビリ氏が刑務所の病棟に強制移送される際、看守に床の上を引きずられている映像を公開した。
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、サーカシビリ氏の扱いについて、「『偏った正義』が行われているだけではなく『政治的報復』がなされている」と非難している。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕