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毎日新聞 2021/12/20 21:56(最終更新 12/20 22:04) 有料記事 2718文字




 政府は20日、新型コロナウイルスワクチンの接種をスマートフォンで証明するアプリの提供を開始した。緊急事態宣言が出ても行動制限を緩和する状況を想定し、イベント会場や飲食店で活用する。しかし、運用開始間際に、アプリで使う接種記録に多数の誤りがあることが判明。先行する東京都独自のアプリは利用者数が伸び悩んでいる。
自治体が対応に追われた理由
 アプリの正式名称は「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」。政府による接種証明は、これまで紙の証明書しかなく、アプリを用いた接種証明書の交付件数は、20日午後2時半時点で約25万件に達した。

 国際規格に基づいており、海外渡航手続きで提示すれば、76の国と地域(13日時点)との行き来で待機時間を短縮できるといった恩恵がある。利用を始めるには、本人確認のためマイナンバーカードにスマホをかざしたり、カード取得時に決めた4桁の暗証番号を入力したりする必要がある。海外利用の場合は、パスポートの情報も読み込む。

 アプリを起動すると画面に接種回数、接種日、ワクチンの種類、製造番号などが表示される。活用する際は、この画面を提示したり、別に表示するQRコードを読み取ってもらったりする。画面に表示される氏名と生年月日は隠すこともできる。

 アプリでは、スマホ上で表示する情報について政府のワクチン接種記録システム(VRS)を活用している。個人の接種状況を記録するシステムで今年4月から運用を開始した。

 VRSには接種者の氏名や生年月日、接種日などのほか、接種したワクチンのメーカーやロット番号などの情報が登録されている。自治体の集団接種会場や職域接種会場のスタッフ、医療機関の医師らが、国から配布されたタブレット端末に入力することでVRSに情報が集積される。

 問題は…

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