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2021年12月21日07時12分

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すき家の「牛丼」並盛り




 大手牛丼チェーンが相次いで値上げに踏み切っている。中国の需要増を背景とした米国産牛肉価格の高止まりに加え、原油高による物流費上昇などが追い打ちをかけた。20日には最大手のすき家も値上げを発表。安価で素早く食べられるのが特徴だった「庶民の味方」としての値頃感が、足元で急速に薄れつつある。


 すき家は23日午前9時から、一部店舗を除いて「牛丼」並盛りを現在より50円高い400円とする。並盛りの値上げは2015年4月以来、約6年半ぶりだ。
 吉野家は10月下旬に値上げを実施。387円だった「牛丼」並盛りの店内価格は426円となった。松屋フーズは9月下旬、320円だった「牛めし」並盛りを380円に引き上げた。
 牛肉は中国など世界的な需要拡大や、干ばつの影響でオーストラリア産の出荷が減ったことに伴い、米産の需給が逼迫(ひっぱく)。牛丼に使われるショートプレートと呼ばれるバラ肉は、冷凍品の卸売価格で1キロ当たり1000円を超え、今春以降は前年同月を約6〜8割上回る水準で推移している。
 さらに、原油高で物流費や持ち帰り容器のコストも上昇している。業界関係者からは「世界的に見れば、ワンコイン(500円)で外食できる状況の方が異常だ」として、値上げはやむを得ないとの受け止めもある。