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毎日新聞 2021/12/21 15:39(最終更新 12/21 15:48) 566文字




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警視庁=米田堅持撮影

 ソニー生命保険(東京都千代田区)の海外子会社の銀行口座から約170億円が不正送金された詐欺事件で、警視庁捜査2課は21日、詐取した約170億円を仮想通貨(暗号資産)に交換して自らが管理する口座に移したとして、同社社員の石井伶被告(32)=品川区、詐欺罪で起訴=を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)容疑で追送検した。

 約170億円分の仮想通貨は約200億円にまで価値が増えていたが使われておらず、米連邦捜査局(FBI)がすべて押収した。



 追送検容疑は同社の子会社で再保険事業の「エスエー・リインシュアランス」(英領バミューダ)の清算業務を担当していた今年5月20日ごろ、米国の銀行にある同社の口座から別の米国の口座に不正送金した約1億5500万ドル(約170億円)を、仮想通貨「ビットコイン」に交換して自身が管理する口座に移して隠したとしている。

 石井被告は不正送金したとして11月29日に詐欺容疑で逮捕され、今月20日に起訴されていた。捜査2課によると、不正送金を含めて容疑を認め、「大金を手に入れたかった。仮想通貨なら事件が発覚しても凍結されないと考えていた」と供述しているという。



 不正送金は、操作の翌日に別の社員が口座の残高を照会した際に発覚。ソニー生命は6月に警視庁に告訴し、8月に不正送金を公表していた。【安達恒太郎】