https://www.sankei.com/article/20211223-WRZEF45745P53PTZNOQBSUDO24/
2021/12/23 19:00



政府、与党は23日、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた乳業業界への新たな支援策を固めた。乳製品の需要低下で民間在庫が積み上がった脱脂粉乳2万5千トン分を家畜の餌用に振り向ける費用の一部などとして、約36億円を助成する。脱脂粉乳の原料となる生乳も供給過剰で大量廃棄される懸念に直面しており、生産者や乳業メーカーへの支援を強化する狙い。

コロナ禍に伴う昨年の学校の一斉休校で、生乳の多くが長期保存できる脱脂粉乳に加工され、在庫が急増した。10月末時点は1年前と比べ約12%増の9万トンに上った。

乳業業界が脱脂粉乳を飼料に転用する際、安価な輸入品との差額の一部を負担する。在庫適正化のため2万5千トンを飼料用に振り向けるには80億円超の差額が必要だが、政府はこのうち約28億円を支援する。乳製品の販路拡大に向けたインターネット通販サイトの開設などにも約8億円を助成する。