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2021年12月24日07時04分

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安倍晋三元首相との面会後、記者団の質問に答える岸田文雄首相(右端)=23日午後、首相官邸




 自民党の派閥領袖(りょうしゅう)らが年の瀬の夜、二つのグループに分かれてほぼ同時刻に会合を開き、主流派と非主流派の構図を鮮明にした。安倍、麻生、茂木の3派会長は政権内で影響力を強めたいとの思惑がある。これに対し、岸田文雄首相と一定の距離を置く二階、森山両派の幹部と菅義偉前首相は今後も連携していく方針を確認した。「ポスト岸田」も念頭に双方が駆け引きを展開する可能性がある。


 安倍晋三元首相、麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長は22日夜、東京・雷門の鳥料理店で会食した。この店は茂木氏ご用達で、安倍氏を首相在任中にほぼ毎年招いていた。茂木派関係者は「3派が岸田首相をしっかり支える」と強調した。
 安倍派は党内最大の95人を擁し、麻生、茂木両派は各53人の第2派閥。3派の所属国会議員は計201人で、岸田派を加えると党内の約3分の2に達する。
 首相は23日、3会長への配慮を示した。公務の合間を縫ってまず党本部に向かい、麻生、茂木両氏と参院選をめぐり協議。さらに安倍氏を衆院議員会館の事務所に訪ねた。安倍氏とは、前夜の3派会合や北京冬季五輪への対応が話題となった。首相は安倍氏との面会について、記者団に「年末のごあいさつだ。難しい話はない。心配しなくても大丈夫だ」と語った。
 首相は岸田派例会にも顔を出し、結束を呼び掛けた。例会では石原宏高衆院議員の入会が決まり、同派は43人となった。
 一方、22日夜は「3派会合」と同じ時間帯、東京・赤坂のふぐ料理店に菅氏、森山派会長の森山裕前国対委員長、二階派幹部の林幹雄、武田良太両衆院議員と、石破茂元幹事長の5人が集まった。出席者の一人はこの枠組みの会合を「定期的に開く」と明らかにした。
 二階派は岸田政権で党4役ポストを得られず「冷遇」された状態。森山派はわずか7人で、石破氏は派閥を解消したばかりだ。菅氏を中心とした無派閥議員らによるグループ結成が取り沙汰される中、「『反岸田』の新勢力ができるのでは」(安倍派関係者)と予想する向きもある。