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毎日新聞 2021/12/24 14:00(最終更新 12/24 14:00) 757文字




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福岡県警が職員向けに周知している健康管理便り=飯田憲撮影

 福岡県警が40歳以上の職員を対象にした特定健康診査(メタボ健診)で、保健指導の対象者が2019年度から減少傾向であることが判明した。警察官は不規則な勤務形態に伴う食生活の乱れから、一般成人よりも肥満になりがち。背景にはワークライフバランスの浸透などがあるとみられ、県警は職員の健康意識を高める取り組みに力を入れる考えだ。【飯田憲】

 県警厚生課によると、体重を身長の2乗で割ったBMI値が25以上だと肥満とされる。約1万1000人が働く県警職員のうちBMI値が25を超える割合は、ここ数年35〜37%で推移。19年度のBMI値平均は全国都道府県警で18番目だった。



 一方、19年の国民健康・栄養調査では、成人の男性33%、女性22・3%が肥満者で、警察官が一般成人よりも肥満傾向であることがうかがえた。理由の一つに挙げられるのが深夜勤務が多い職場環境だ。

 特に出番、非番、休みの3交代制で、出番は24時間勤務となる交番で働く警察官は、決まった時間に食事が取れるとは限らない。「いつ現場に行くか分からず、『早食い』が染みついている警察官は少なくない」(県警幹部)のが現状という。



 そうした中、県警は職員の健康意識を高めようと、保健師の巡回指導や、組織全体でワークライフバランスを推進。その結果、メタボ健診で腹囲85センチ以上や高血圧など保健指導の対象者が18年度の1270人から▽19年度1239人▽20年度1215人に減少した。

 新型コロナウイルスの感染拡大期間は、飲酒の機会が減る一方、剣道や柔道など術科指導もできず、職員の運動不足が懸念される。引き続き適正な飲酒や禁煙などを呼びかけており、県警厚生課の園田友史次席は「警察官にとって体は資本。万全な体調で職務に当たれるよう職員の健康意識を高めたい」としている。