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毎日新聞 2021/12/28 06:00(最終更新 12/28 06:00) 787文字




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新年を迎える前に、機体にウミガメを描いたA380の洗浄作業をするスタッフ=成田空港で2021年12月27日午前11時54分、中村宰和撮影

 ウミガメの親子を描いた全日本空輸の超大型旅客機エアバスA380の機体洗浄作業が27日、成田空港の格納庫であった。新年を迎える前に、スタッフ15人が約6時間かけて汚れを落とした。

 機体の外面にはほこりや油、土、大気中の汚染物質などが付着していた。機体に水をかけた後、長さ4〜6メートルの棒の先端に取り付けられた馬の毛のブラシやモップなどに洗剤をつけ、上下左右に動かした。機体は総2階建てで全長72・7メートル、幅79・8メートル、高さ24・1メートル。機首や2階部分、垂直尾翼などは高所作業車を使って洗った。洗い終えると、汚れでくすんでいた場所が見違えるほどきれいになり、全体が輝いていた。



 この日洗った1号機は、2022年1月1日に成田空港を発着する初日の出フライトに使用される。作業した羽田空港グランドサービスの佐藤皇太さん(27)は「機体にウミガメが描かれ、自分たちも楽しみながらきれいにしている。お客様のわくわくドキドキする気持ちを頭に入れながら作業した。最初に目にする機体がきれいになり、初日の出フライトのお客様にはきれいな朝日を楽しんでほしい」と話していた。

 機体の洗浄作業は通常、100日に1回のペースで実施される。成田―米ハワイ・ホノルル線専用機のA380は今年、新型コロナウイルスの影響で活躍する機会が激減したため、通常より汚れが少なく、洗浄は4月26日以来だった。1号機は今年、ホノルルに1往復したほか、遊覧飛行やツアーで北海道・新千歳や中部、関西、沖縄・那覇、沖縄・下地島と国内各地を回り、旅客を乗せて計28回飛行した。



 洗浄作業は小型機のボーイング737が9人で2時間、大型機のボーイング777が9人で4時間に対し、超大型機のA380は15人で6時間かかる。水の使用量は、737を1とすると、777は2倍、A380は3・5倍が必要になる。【中村宰和】