0001ひよこ ★ [ニダ]
2021/12/28(火) 07:03:36.10ID:bgoMLYIY92021/12/28 05:00
スタジアムや体育館などの競技施設には多額の維持費がかかる。収支を圧迫する事例も多い。
東京五輪・パラリンピックでは、1500億円余りを投じて改築された国立競技場のほか、東京都による6つの恒久施設も新設された。
世界の競技者たちが熱戦を繰り広げた、大会の「レガシー(遺産)」だ。感動と興奮の記憶をとどめるシンボルとして、人々に長く愛され、活用される施設へと育てたい。
国立競技場の維持費は年間約24億円とされる。今後は民間事業者に運営委託する「コンセッション方式」に活路を求めるが、収支はいまだに不透明だ。
ナショナルスタジアムは、その国のスポーツ文化の成熟度を映す鏡だ。維持費は「必要な投資」として、ある程度までは許容されるべきだろう。
その一方で、都民や国民の理解を得続けるには、維持費に見合った価値を生み出す必要もある。東京五輪が終わった後、「国立」が都民や国民に何をもたらすのか。国や都、スポーツ界に丁寧な説明を求めたい。
都が新設した6施設も、黒字が見込まれるのは有明アリーナだけだ。他の5施設はいずれも赤字の見通しで、競泳会場となった東京アクアティクスセンターは年間約6億3800万円のマイナスと看過できない。「レガシーだから」だけでは、赤字運営を正当化する理由にならない。
国立競技場は撤去が議論されたトラックを残し、将来的な陸上の国際大会誘致という選択肢を残した。都の6施設は来年から順次、稼働を再開する。
海の森水上競技場では、日本ボート協会が5月に全日本選手権を開くなど、令和4年度に6大会の開催が予定されている。東京アクアティクスセンターは、近隣の東京辰巳国際水泳場との役割分担が問われよう。一般開放を含め、幅広い視野で活用の方策を議論してもらいたい。
とりわけスポーツ界の責任は大きい。東京大会に向け、競技場の新設を声高に訴えてきたのはほかならぬ各競技団体だからだ。
自国開催の祭典は終わった。スポーツ界はメダル獲得以外の新たな価値を、レガシーの存在意義とともに発信してほしい。「負の遺産」としないためにも、運営に?かむりすることは許されない。