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毎日新聞 2021/12/28 18:43(最終更新 12/28 19:59) 750文字




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安倍晋三元首相

 安倍晋三元首相の地元・山口県下関市では、安倍元首相が再び不起訴となったことに賛否の声が渦巻いた。

 安倍元首相の後援会の幹部は「特捜部という最強の捜査機関が検察審査会の議決を受けて徹底的に再捜査した結果。これ以上に明白な事はない」と語気を強める。別の支持者も「不起訴という結果がすべてを物語っている。もう桜を見る会の問題は終わりにしてほしい」と静かに語った。

 一方、前夜祭に出席した経験がある男性は「検察が不起訴とした理由を丁寧に説明しなければ、国民は納得できないのではないか」と疑問を示す。そのうえで「今では最大派閥の会長となり、党内では誰も安倍さんに説明を求めることができないのだろう。しかし、丁寧に説明しなければ自民党はいずれ見放される」と続けた。また、党員の男性は「選挙区から大規模に支持者を呼び、結果として補?(ほてん)もしていた。検察の判断が出たから潔白とは言えないだろう」と納得がいかない様子だった。



 自民党山口県連の幹部は「県連内部でも話題にはならない。この話はおしまいになるだろう」と話した。

 地元有権者の声もさまざまだ。下関市でジェラート店を営む原野裕さん(46)は「捜査が終結しても(安倍元首相は)説明を尽くしていない」と話す。「いくつもの疑惑を持たれるような行動は首相(当時)としてふさわしくない。他県の友人からも『(安倍元首相の選挙区である)下関市は大丈夫か』と言われることがあり、下関市民として恥ずかしい」と憤る。

 下関市の大学生、本多祐典さん(21)は「検察が再捜査して調べ尽くした結果の不起訴なのだから、これで終わりだと思う」と話し「安倍さんには信頼回復という意味でも下関や日本のために政治家としてしっかりやってほしい」と注文を付けた。【反田昌平、大坪菜々美、林大樹】