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毎日新聞 2021/12/29 18:00(最終更新 12/29 18:15) 有料記事 1425文字




 自民党は所属議員にインターネットの積極活用を推奨している。議員の選挙対策といえば、支援者を訪ね歩く「どぶ板」が定番だが、来夏の参院選へ向けてネット戦略で他党に後れを取る危機感があるからだ。とはいえ、2013年の公職選挙法改正で「ネット選挙」が解禁されてからしばらくたち、SNS(ネット交流サービス)で会議出席などの活動報告を発信するのは当たり前の時代。他の議員との差別化を図るための「ちょっと一工夫」を探ってみた。

思い切った「#かつのぶフレーム」
 「ぜひ皆さんにも、健康のためにも牛乳を飲んでいただければ」。スマホ画面に「どアップ」の自撮り動画をツイッターに上げるのは、加藤勝信前官房長官だ。コップ1杯の牛乳をごくごくと飲み、コロナ禍の需要低迷で大量廃棄される生乳を救おうと呼びかけた。再生回数は12月18日に公開してから2日間で1万回以上を記録した。

 加藤氏は21年10月に官房長官を退任してから、連日のようにツイッターで自撮りの活動報告を更新。どアップで映り込む独特の構図「かつのぶフレーム」が評判を呼び、他の国会議員や地方議員がハッシュタグをまねするほど「拡散」し始めた。

 安倍・菅政権では閣内で重用されることが多く、個人としての発信が難しい立場にあった加藤氏。現在は茂木派の副会長として茂木敏充幹事長を支える立場となり、自由度は高まったが、かえって大手メディアでの発信は少なくなるというジレンマに陥っていた。「かつのぶフレーム…

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