https://mainichi.jp/articles/20211230/k00/00m/050/313000c

毎日新聞 2021/12/30 19:17(最終更新 12/30 19:21) 790文字




https://cdn.mainichi.jp/vol1/2020/08/11/20200811k0000m040296000p/8.jpg
金明輝監督=黒澤敬太郎撮影

 サッカーJリーグは30日、J1鳥栖の金明輝前監督(40)が暴力や暴言によるパワーハラスメントを繰り返していたと認定し、公式戦8試合相当の出場資格停止とけん責の処分を科したと発表した。クラブに対しては「悪質なパワハラに関する訴えや報道があることを知りながら、十分な調査を行わなかった」として罰金300万円とけん責の処分とした。処分は29日付。

 Jリーグの調査チームが関係者約90人に聞き取りを実施した。金氏は鳥栖ユース監督に就任した2016年以降、ユースやトップチームの選手らに大声での叱責や暴力を繰り返していたといい、▽21年6月26日の練習中に選手に足払いをして転倒させた▽20年夏ごろに前髪の長い選手に立腹して平手打ちをした――など計17件をパワハラと認定。「死ね」「殺すぞ」「お前の顔は気持ち悪い」などの発言も確認した。



 鳥栖は金氏が選手を足払いで転倒させたことを受けて7月に3試合の指揮資格停止処分を科した。クラブが設置した第三者委員会は8月に「さらなる処分は不要」と結論づけたが、対応は不十分とする告発文が日本協会に届き、Jリーグが調査していた。金氏はトップチーム監督を今季限りで退任した。【細谷拓海】

鳥栖社長「認識が非常に甘かった」
 JリーグがJ1鳥栖の金明輝前監督(40)によるパワーハラスメントを認定し、対応が不十分だったとしてクラブも処分を受け、鳥栖の福岡淳二郎社長は30日、オンライン記者会見で「重く受け止めている。痛恨の極み」と謝罪した。20日付で監督を退任後、クラブに在籍している金氏について進龍太郎取締役は「契約解除の可能性もあるが本人と話し合って」とするにとどめた。Jリーグの調査チームにクラブ対応が「消極的な隠蔽(いんぺい)」と指摘されたことについては「組織的な隠蔽は全くなかった。認識が非常に甘かったことが最大の原因」と述べた。【丹下友紀子】