0001ひよこ ★ [CN]
2021/12/30(木) 22:24:20.28ID:Mh76S/Fp92021年12月30日20時38分
https://www.jiji.com/news2/kiji_photos/202112/20211229at23S_p.jpg
新型コロナウイルス感染拡大を受け、ニューデリーで検問する治安要員=4月17日
https://www.jiji.com/news2/kiji_photos/202112/20211229at22S_p.jpg
新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウンで、人通りが絶えたニューデリー中心部=4月17日
https://www.jiji.com/news2/kiji_photos/202112/20211229at21S_p.jpg
新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウン下、店舗でインド人スタッフに指示する「iroha」店長の大森栄さん(左)=5月6日、ニューデリー近郊
【ニューデリー時事】今年3〜5月に新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」が急拡大したインドでは、最も多い時で1日に感染者40万人、死者6000人以上が確認された。病床や酸素が不足する「医療崩壊」で日本人も犠牲に。厳しいロックダウン(都市封鎖)の中、死の恐怖におびえた首都ニューデリー一帯の在留邦人を献身的に支えた人たちがいた。
◇到着直後に感染
昨年秋から新規感染者が減り、今年春に日本企業駐在員が多数赴任していた中での再流行だった。首都に長期滞在する40代男性は、4月の到着直後にロックダウンに直面。自身も感染し、生活必需品購入のための外出も不可能になった。
インドは昨年もロックダウンを経験し、オンライン診療、医薬品や食品などの宅配が充実している。だが、利用には現地の銀行口座が必要な場合がほとんどで、開設には時間がかかる。男性は「薬も食べ物も買えず、40度近い熱と肺炎に加え、栄養失調で死ぬところだった」と振り返る。
◇デマとの闘い
男性を救ったのは、ニューデリーで不動産業を営み、邦人支援団体にも所属する水洗満美さん(45)=福岡市出身=。住居をあっせんした縁で食料を届け、男性の病状が悪化すると日本大使館担当者と連絡を取り、集中治療室(ICU)への入院を手助けした。
インターネット交流サイト(SNS)の邦人向けグループを複数運営し、2007年から現地に暮らす「生き字引」でもあり、正しい情報が必要と痛感してきた。
「マレーシアの発表を取り違え、インドでロックダウンが始まったと慌てる人や、日本への退避に必要なPCR検査の結果が不明でも空港で直談判すれば搭乗できるとデマを流した人がいた」という。実際に、空港に押し掛けた日本人が搭乗できないケースもあった。
水洗さんは駐在する記者らと連携。当局発表や複数の地元報道から確認された情報を寝る間も惜しみ、SNSで発信した。病床やワクチン接種会場の空き状況、生活物資の情報は、在留邦人の心の支えになった。
◇「希望」届ける
生活必需品を供給した人たちもいた。首都近郊で日本風のパンなどを販売する「iroha」店長の大森栄さん(59)=千葉県柏市出身=は、厳しい規制下でも店の営業を続け、州境を越えて商品を届けた。
昨年との違いは感染者にも宅配したこと。「感染の怖さはもちろんあった」が、消毒を徹底し、感染者には玄関に商品を置いた後に時間差で受け取ってもらう、といった対策で乗り切った。
首都の和食レストラン「愛味」の店長、歌丸理美さん(50)=横浜市出身=も「自分が感染を広げる側になってはいけない」と留意しつつ、弁当を単身者らに宅配して回った。スタッフに衛生管理を徹底させるため、配達に同行。「お代は後でいい。体力を落とさないようちゃんと食べて」と感染者を気遣った。
「お客さんに希望の光と言われた。消すわけにいかない」(大森さん)、「ご飯の時ぐらいはほっとしてほしい」(歌丸さん)。2人に共通するのは、人を力づけたいという思いだった。