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2022/1/3 19:30


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インタビューに答える小池百合子都知事=東京都庁(飯田英男撮影)

小池百合子知事が産経新聞のインタビューに応じ、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染の広がりを踏まえ、3回目のワクチン接種を前倒しで進める考えを示した。世界の潮流となっている「DX」(デジタルトランスフォーメーション)と脱炭素社会の実現に向けた環境対応の必要性も指摘し、「デジタル化とグリーンの2本柱で来年度予算案を組む」と述べた。(聞き手・社会部長 酒井孝太郎)

−−新年も新型コロナ対応が大きな課題となる

「これまで『デルタ株』と戦ってきたが、ここへきて新手の変異株が入りつつある。この新しい敵にどう備えていくか。海外の例などを見ると非常に伝播(でんぱ)力が強い。先手先手の対応が必要だろうということをまず念頭に置いている」

「水際対策という国の検疫の部分で、フェーズ(局面)が日々変わる。一番重要なのは検査だということは自明の理なので、都として羽田空港で、入国される都民の皆さんに無料でPCR検査キットを渡すようにしている。(感染に)不安を持つ一般の都民が、薬局などを中心に都内の180カ所で無料でPCR検査を受けられるような態勢も整えた」

「(オミクロン株の)市中感染拡大に対しては、おおむね1週間の新規陽性者数が(7日間平均で)100人を超えたときには、(入院病床を)現在の4000床から一気に6891床まで引き上げるように大きく構えて対応している。今は休止している入院待機ステーションもすぐに立ち上げられるようにする」

「ワクチンも3回目の接種を急いでいく。都では各自治体と職域での接種などもあって、12歳以上で2回の接種を終えた人が8割を超えている。医療従事者の方々、高齢者の施設関係者、もちろん高齢者そのものにも毎日対応できるようにしているし、(3回目接種の)前倒しをさらに進めていきたい」

−−行政のデジタル化と脱炭素社会の実現という課題にはどう対応するか

「『DX』と、もう1つのキーワードに『グリーン』がある。この両方を進めていくことは来年度の大きなテーマでもある。どれくらいDXが進んでいるか。例えば、『ハンコ(印鑑)レス』や『ペーパーレス』などがどれくらい進んでいるかを、見える化している。デジタル化するとそれらがさらに進み、(計画よりも)かなり前倒しで進んできている」

「都庁の職員もテレワークを徹底してやっている。中小事業者にもデジタル化を進める補助金を出したり、環境を整えたりするお手伝いをしてきた。これは結局、生産性を上げていくことと同時に、個人の育児と介護などを同時に進めるという、これまで描いてきた新しいライフスタイルに実は一歩近づいてきているということ。ここをさらに後押ししていく」

「グリーンについては、都は2030年までに『カーボンハーフ』(温室効果ガスの排出量50%削減)ということを言っている。世界の自動車産業は、自らが『デファクト・スタンダード』(事実上の標準)をつくろうということで大変な競争になってきている。ぜひ、日本の屋台骨でもある自動車産業や二輪車産業を支えていく。消費地である東京がその先鞭(せんべん)をつけることによって、戦える産業にしていくことが必要だ。デジタル化とグリーンの2本柱で来年度の予算案をしっかりと組み立てていく」

−−夏の参院選にはどう向き合うか

「(都民ファーストの会が国政進出に向けて設立した)ファーストの会にお聞きください」