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毎日新聞 2022/1/5 18:17(最終更新 1/5 18:17) 671文字




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北朝鮮の国旗=ゲッティ

 韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は5日午前8時10分(日本時間同)ごろ、北部慈江道(チャガンド)付近から日本海に向け、弾道ミサイルと推定される飛翔(ひしょう)体1発を発射した。日米韓軍事当局が詳しい分析を急いでいる。

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弾道ミサイルとみられる飛翔体の発射イメージ

 岸信夫防衛相は記者団に、通常の弾道軌道だとすれば飛行距離は約500キロで、落下地点は日本の排他的経済水域(EEZ)の外側と推定されると述べた。日本政府は首相官邸の危機管理センターに緊急参集チームを集めて対応にあたった。



 弾道ミサイルだった場合、昨年10月19日の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)以来約2カ月半ぶり。弾道ミサイル技術を用いたものであれば、国連の安全保障理事会決議に違反する。今回発射された慈江道からは昨年9月28日、北朝鮮が「火星8」と称する極超音速ミサイルを発射。この際の飛行距離は200キロに満たなかったとされる。

 岸田文雄首相は「昨年来、北朝鮮が連続してミサイルを発射していることは誠に遺憾だ。これまで以上に警戒・監視を強める」と述べた。また、首相は関係省庁に対し、@情報収集・分析に全力を挙げ、国民に迅速・的確に情報提供するA航空機・船舶の安全確認の徹底B不測の事態に備えて万全の体制を取る――の3点を指示した。



 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記は昨年末に開かれた党中央委員会総会で、「国家防衛力の質的変化を強力に促し、国防工業の主体化、現代化、科学化の目標を計画的に達成しなければならない」と述べ、引き続き軍事力を強化する方針を示していた。【渋江千春(ソウル)、川口峻、畠山嵩】