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毎日新聞 2022/1/9 16:00(最終更新 1/9 16:00) 有料記事 1555文字


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外国人の新規入国が原則禁止され、閑散とする成田空港の国際線到着ロビー周辺=2021年11月30日、小川昌宏撮影

 新型コロナウイルスの変異株の流行に関連し、国内の有志団体は6日、外国人に課されている入国制限の緩和を求める要望書を林芳正外相宛てに提出した。最近では外国籍の家族との離別を強いられる事例が相次ぐが、この団体は状況の改善を訴え、約1万2000筆の署名を集めた。現状をたどりながら、関係者の思いを聞いてみた。

 変異株「オミクロン株」が国内で発見されたことを受け、政府は2021年11月末に外国人の入国制限強化に乗り出した。この団体は外国籍の家族と再会できなくなった人たちが中心となり結成。12月上旬にオンライン署名サイト「Change.org」にページを立ち上げ、制限緩和を求める署名を呼びかけ、今回は要望書と共に林氏宛てに提出した。

 この要望書では、規制前に発給されながらも無効とされたビザ(査証)の効力を回復▽入国を認める例外規定の見直し▽新規ビザの受け付け再開時期の明示――などを求めている。

「国籍で区別、意味ないのでは」
 なぜ、このような行動に出たのか。20年にコロナの感染拡大が本格化して以降、政府は、日本人や永住者の配偶者と子供▽在留資格保持者▽人道上配慮すべき事情がある人――などの例外を除き、外国人の新規入国を原則認めない方針に転じていた。最新の規制では、日本人と結婚した外国人についても、長期の在留資格認定証明書を得なければ入国できなくなった。制限が課される前に発行された短期滞在ビザも無効となり、訪日できなくなった事例が多発している。

 要望書と署名を提出した後、団体の関係者はオンライン記者会見に臨んだ。

 神奈川大で日本文学を研究するメレク・オータバシさん(51)は、21年10月からカナダに残した3人の息子と離ればなれの暮らしが続いている。「緊急的に息子たちと再会しなければならない事情がある」と日本政府に訴え続け、12月下旬にようやくビザが発行された。会見では「この数カ月は非常に疲れた。他の人に同じような思いをしてほしくないし、もっと多くの人に事情を知ってほしい」と訴えた。

 オータバシさんは最終的に「特段の事情がある」として家族へのビザ発給が認められたが、…

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