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毎日新聞 2022/1/9 18:51(最終更新 1/9 18:52) 891文字




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新型コロナウイルス感染症対策本部会合で広島、山口、沖縄の3県にまん延防止等重点措置の適用を表明する岸田文雄首相(手前から2人目)。左端は新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=首相官邸で2022年1月7日午後4時15分、竹内幹撮影

 政府は9日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、広島、山口、沖縄の3県にまん延防止等重点措置を適用した。期間は31日まで。新規感染者数の増加が続く大阪や東京については、感染状況や医療提供体制を見極め、まん延防止措置や緊急事態宣言の適用要請があれば機動的に対応する方針だ。

 岸田文雄首相は9日のNHK番組で、3県で変異株「オミクロン株」が拡大していることを踏まえ「未知のリスクには慎重の上にも慎重を期さなければならない。医療逼迫(ひっぱく)を防ぎながら国民の安心安全につなげていく」と強調した。



 まん延防止措置の適用は、2021年9月末に緊急事態宣言とともに全て解除して以来3カ月ぶりとなる。岸田政権では初めて。対象地域は、広島県は広島市、大竹市など13市町、山口県は岩国市と和木町、沖縄県は県全域。

 広島、山口両県は、対象地域の飲食店に午後8時までの営業時間短縮と酒類提供停止を要請した。沖縄県は感染対策の基準を満たした「認証店」には酒類提供を認めるが、午後9時までの時短を求める。非認証店には酒類提供停止と午後8時までの時短を要請する。従わなかった飲食店に対し、20万円以下の過料を科すことができる。



 全国的にも感染拡大が続く。政府内には、特に病床使用率が徐々に上がっている大阪に対し、まん延防止措置の追加適用は避けられないとの見方が強まっている。首相はNHK番組で、「まん延防止措置が3県でスタートするが、行動制限が必要だと判断した。まずはしっかりとした(医療提供体制など)国内対策を起動させたうえで、(他地域の)行動制限を考えていきたい」と述べた。10日にも後藤茂之厚生労働相ら関係閣僚を公邸に呼び、状況を分析する方針だ。

 首相はまた、フジテレビの番組で、新型コロナを含む感染症対策で、国や自治体の権限強化を盛り込んだ感染症法改正案については「まずは今、用意したものをしっかり稼働させることに集中したい」と述べ、17日召集の通常国会への提出は見送る考えを示した。そのうえで「中長期的には必要なものは法改正していく。6月までに課題を洗い出したい」と述べた。【中村紬葵、川口峻】