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2022/01/11(火) 16:48:13.48ID:N+6DiNWH9毎日新聞 2022/1/11 14:14（最終更新 1/11 16:28） 1008文字
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カスハラの実態調査結果について話す交運労協の住野敏彦議長（左）＝東京都港区で2021年12月10日、東海林智撮影
鉄道や航空、トラックなど交通・運輸関連の労働組合で作る「全日本交通運輸産業労働組合協議会」（交運労協・住野敏彦議長、60万人）は、客による悪質なクレームなどカスタマーハラスメント（カスハラ）に当たる迷惑行為を受けたことがあるかを組合員に聞くアンケート調査を実施した。回答者の46・6％があると答え、交運労協は「カスハラで人材が心身共に傷つけられている」と危機感を募らせている。
アンケートはカスハラの実態調査を目的に行い、交通運輸、観光サービス業で働く組合員2万908人が回答した。回答者のうち男性は86・4％、女性は13・6％。年代は40代が29・3％で最多で、次いで30代、50代、20代の順だった。
直近2年間で迷惑行為の被害を尋ねた問いでは、半数近い46・6％があったと答えた。業種別ではタクシー（58％）が最多で、次いでバス（54・4％）、鉄道（52・4％）の順で最も少ない海運・港湾でも15・1％あった。また、迷惑行為について全体の57・1％が「増えている」と答えた。航空やバスでその割合が高く、利用者のコロナ禍のストレスが影響しているとみられる。
カスハラの加害者は86・4％が男性、10・7％が女性、その他は「回答しない」。年代は50代が最多の29・2％で、40〜60代が加害者の7割を占めた。被害内容は「暴言」が49・7％で最多、次いで「同じクレーム内容を繰り返す」（14・8％）▽「威嚇、脅迫」（13・1％）▽「権威的（説教）態度」（9・4％）――など。この他、セクハラやネットでの中傷もあった。こうした被害に、半数が「嫌な思いや不快感が続いた」と回答、寝不足や心療内科に通院するケースもあり、離職につながる場合もあるという。
一方、企業側の対応については「迷惑行為対策への教育」（21％）▽「マニュアルの整備」（19・9％）など何らかの対策が行われている一方、39・5％は「特に対策はされていない」と回答し、対策の遅れも目立った。労働者からは「お客様からの盗撮や体を触られることが多々ある。でも、会社は対策を講じることもなく泣き寝入り状態です」（航空）などの声が寄せられているという。
交運労協ではこれらのデータを元に国や関係団体にカスハラ防止を要請していくという。住野議長は「カスハラが離職につながるなど放置できない。誇りと希望を持って働ける職場づくりに取り組む」と話している。【東海林智】
