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2022年01月11日16時37分

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日本国籍確認訴訟判決後に記者会見する原告の楊馥成さん(左)=11日午後、東京都千代田区




 台湾在住の男性3人が、第2次世界大戦前に持っていた日本国籍を現在も保有していることの確認を求めた訴訟の判決が11日、東京地裁であり、市原義孝裁判長は「日本国籍を喪失した」と判断し、請求を棄却した。


 判決などによると、3人は大戦前に日本の領土だった台湾で生まれ、両親も台湾出身だったため、日本国籍を取得していた。日本敗戦後の1952年に、台湾の領有権を放棄することなどが定められたサンフランシスコ平和条約が発効。同年に日本と当時の中華民国の間で台湾に属する人の国籍を規定した日華平和条約も発効し、台湾出身者の日本国籍は喪失したとされた。
 原告側は、条約発効で本人の同意なく国籍を喪失させることは憲法に違反するなどと主張したが、市原裁判長は「憲法は、領土の変更に伴う国籍の変動について条約で定めることを認めたと解するのが相当」とし、訴えを退けた。
 判決後に記者会見した原告の楊馥成さん(99)は「大変残念に思っている。日本の教育を受け、日本人になったと思っていた」と述べた。