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毎日新聞 2022/1/11 21:14(最終更新 1/12 00:13) 有料記事 2317文字




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記者団の取材に応じる岸田文雄首相(右)=首相官邸で2022年1月11日午前8時57分、竹内幹撮影

 岸田文雄首相は11日、ワクチンの3回目接種の前倒し対象を拡大するなど、新型コロナウイルスの対応強化策を発表した。変異株「オミクロン株」に国民の不安が広がる中、万全の対策をアピールする狙いだ。ただ、対策は「付け焼き刃」の印象は否めず、実効性を伴うかは見通せない。発足100日目を迎えた岸田政権は難所を迎えている。
求めたインパクト、危うい実効性
 「就任してから100日がたった。息つく間もなく駆け抜け、目まぐるしく変わる国内外の情勢に対応してきた。中でも国民生活に大きな影響があるコロナ対応は、政権の最重要課題として取り組んできた」

 首相は11日、首相官邸で記者団にこれまでの政権運営を振り返ったうえで、今後の「オミクロン対策」を列挙した。さらに「過度に恐れることなく、国民みんなで協力し、この状況を乗り越えていきたい」と呼びかけた。

 首相は4日の年頭記者会見で、医療逼迫(ひっぱく)を避けるため、オミクロン株の陽性者を全員入院としていた措置を見直すなどの一連の対策を示したばかりだ。7日には広島、山口、沖縄の3県へのまん延防止等重点措置の適用を決定し、飲食店に営業時間短縮などの制限をかけた。

 機動的に対策を講じているように映るが、首相周辺は「国民の不安を抑えるには足りない。菅義偉前首相がぶち上げた『ワクチン1日100万回接種』のように、インパクトのあるメッセージを首相は出したがっていた」と明かす。8〜10日の3連休に、首相が関係閣僚や秘書官らと練ったのが今回の対策だった。

 官邸が打ち出しに躍起となるのは、夏の参院選を見据えるためだ。…

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