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2022/01/12(水) 19:04:20.01ID:WV3CK9Aw9毎日新聞 2022/1/12 16:53（最終更新 1/12 16:53） 975文字
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北朝鮮の国防科学院が行った極超音速ミサイルの試射＝2022年1月11日朝、朝鮮中央通信・朝鮮通信
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は12日、同国の国防科学院が11日朝に極超音速ミサイルの試射を実施し、金正恩（キムジョンウン）朝鮮労働党総書記が現地で参観したと報じた。金氏による兵器実験の現場視察が報じられたのは、2020年3月以来、約1年10カ月ぶり。妹の金与正（キムヨジョン）党副部長や側近とされる趙甬元（チョヨンウォン）党政治局常務委員も同行した。ミサイル開発の加速を内外に誇示する狙いがあるとみられる。
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北朝鮮の国防科学院が行った極超音速ミサイルの試射を視察する金正恩朝鮮労働党総書記（右）＝2022年1月11日朝、朝鮮中央通信・朝鮮通信
同通信は、具体的な発射場所を明示しなかったが、試射の目的について「開発された極超音速兵器システムの全般的な技術的特性を最終的に確証するためだった」と説明。開発が最終段階にあると強調した。ミサイルは発射後、分離した弾頭部が600キロ先で再び跳躍。最初に発射された方角から目標の方角へ240キロ旋回しながら動き、最終的に1000キロ先に設定された標的に命中したという。同通信は「弾頭部の優れた機動能力がさらに実証された」としている。
金正恩氏は「軍事力を質量的、持続的に強化し、さらに現代化しなければならない」と強調した。極超音速兵器の開発部門を「国防力発展5カ年計画の中で最も重要な戦略的意義を持つ」と位置付け、携わった科学者らを高く評価。「国の戦争抑止力を強化する歴史的偉業で、引き続き立派な成果を獲得すべきだ」とも述べ、ミサイル開発を加速させる考えを示した。
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極超音速ミサイルの試射を成功させた極超音速兵器研究開発部門の中心メンバーと記念写真に納まる金正恩朝鮮労働党総書記（前列中央）＝平壌の党中央委員会本部庁舎で2022年1月11日、朝鮮中央通信・朝鮮通信
極超音速ミサイルは、弾道ミサイルとは異なる低く変則的な軌道と、マッハ5（音の速さの5倍）を超える速さで長時間飛行するため、探知や迎撃が難しいとされ、米国や中国、ロシアなどによる開発競争が激しくなっている。北朝鮮が極超音速ミサイルの発射実験を初めて発表したのは昨年9月。年明けの5日にも実験したと翌日に発表しており、今回も含めると、約4カ月の間に3回のハイペースだ。「ミサイル大国」と印象づけることで、米国との交渉が始まれば、「交渉カード」とする狙いもうかがえる。
慶南大学・極東問題研究所の金東葉（キムドンヨプ）教授は「金正恩氏が久しぶりに自ら足を運んで視察したこと自体が、北朝鮮にとって極超音速ミサイルの開発が持つ意味の大きさを示している。すぐに戦力化や実戦配備段階に入るわけではないが、開発速度は想像を超えるもので、完成度も高いと考えるべきだ」と警鐘を鳴らす。【ソウル坂口裕彦】
