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毎日新聞 2022/1/12 16:57(最終更新 1/12 16:57) 663文字




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岸信夫防衛相

 岸信夫防衛相は12日の記者会見で、北朝鮮が11日に発射した飛翔(ひしょう)体は弾道ミサイル1発で、通常より低い最高高度50キロ程度をマッハ約10で変則軌道で飛行した可能性があると明らかにした。政府は、弾道ミサイル発射は国連安全保障理事会の決議違反に当たるとし、北京の外交ルートを通じて北朝鮮に抗議した。

 岸氏は「左方向への水平機動も含め、変則的な軌道で飛翔した可能性がある」と指摘。11日時点では「通常の弾道軌道であれば飛行距離は700キロ未満」と分析していたが、「これ以上に及ぶ可能性がある」として700キロ以上飛んだ可能性に言及した。



 北朝鮮は5日にも「極超音速ミサイル」だと主張するミサイルを発射した。今回のミサイルについても北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が12日、極超音速ミサイルだと伝えた。岸氏は5日と今回のミサイルについては「外形上の類似点がある」と指摘。極超音速ミサイルに当たるかについては「通常の弾道ミサイルでもマッハ5を超える速度で飛翔するものは存在する」と明言を避けた。

 防衛省によると、いずれのミサイルも最高高度50キロ程度で飛行し、北朝鮮が保有する従来型のミサイル「スカッド」より低かった。低高度の飛行はレーダー探知が難しいとされ、変則軌道と相まって迎撃がより難しくなると想定される。



 岸氏はまた、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が今回の発射を現地で参観したと北朝鮮メディアが報じたことについて「事実だとすれば北朝鮮がそれなりの自信を持っていたのではないか」との見方を示した。【畠山嵩】