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2022/01/12(水) 20:51:11.96ID:WV3CK9Aw9毎日新聞 2022/1/12 19:58（最終更新 1/12 19:58） 1015文字
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韓国政府に「防疫パス」の撤回を求めデモをするソウル市民ら＝2022年1月8日、AP
韓国で、多くの人が出入りする施設を利用する際にワクチン接種証明書などの提示を市民に義務づける「防疫パス」制度の撤回を求める声が上がっている。政府は新型コロナウイルス対策に必要と主張するが、4日には裁判所が一部施設への適用停止を命令。3月に投開票される大統領選の候補も制度の改善を訴えており、論争が続きそうだ。
政府は昨年11月、経済活動と防疫の両立を目指してこの制度を導入した。対象施設を利用する場合、接種情報がひも付けされたQRコードなどで2回目の接種済みを証明する。2回目から6カ月経過した場合は3回目接種が必要となる。未接種者でもPCR検査を受け、陰性証明書を提示すれば利用が可能だが、証明書の効力は2日間。日常的に通う施設に行くたびに毎回検査を受けるのは非現実的だ。
当初はカラオケ店などごく一部の施設で実施されていたが、政府は昨年12月、塾や自習室なども対象施設に追加した。さらに従来は対象外としてきた12〜18歳の青少年にも、接種できる猶予期間を設けた上で制度を適用する方針を示したが、学生や保護者から「接種を事実上強制している」「教育を受ける権利の侵害だ」などと批判が噴出した。
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「防疫パス」制度が適用された大型スーパーの入り口で、QRコードで接種証明をする利用客ら＝ソウルで2022年1月10日、渋江千春撮影
こうした中、今月4日には裁判所が「青少年の身体に関する自己決定権を直接侵害する措置だ」などとして、塾などを対象施設に含める措置の効力を一時停止する決定を出した。政府は即座に控訴したが、7日にコロナ対策の会議に出席した金富謙（キムブギョム）首相は「防疫と人権のバランスを探る社会的な議論の過程だ。改善すべき点があれば補完する」と述べ、司法の判断に一定の理解を示した。
大統領選を控え、各政党も防疫パス制度に言及する。最大野党「国民の力」の大統領選候補、尹錫悦（ユンソクヨル）前検事総長は9日、翌10日から百貨店や大型スーパーなども対象施設に含まれることを念頭に「生活必需品を買う最小限の自由まで侵害してはならない」などとフェイスブックに投稿。支持率が急伸している中道系野党「国民の党」の安哲秀（アンチョルス）候補も8日、フェイスブックで「非科学的・非合理的だ。青少年への適用は保留すべきだ」と訴えた。
一方、与党「共に民主党」候補の李在明（イジェミョン）前京畿道知事は3日、テレビのインタビューで「接種を受けた人にインセンティブを与えるものだ」と制度自体に理解を示しつつも、対象施設などの見直しは必要との見解を示した。【ソウル渋江千春】
