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毎日新聞 2022/1/12 22:59(最終更新 1/12 22:59) 704文字




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大阪府警本部

 「医療法人が入居することになった」と架空の進出計画をビル所有者に持ち掛ける手口で約3億円をだまし取ったとして、大阪府警は12日、東京都港区の不動産コンサルタント会社「メディカルテクノロジー&マネジメント」社長の椎葉俊尚(としたか)容疑者(56)ら2人を詐欺などの疑いで逮捕した。関係者によると、他にも大手不動産会社を含む複数のビル所有者が計十数億円に上る同様の被害を訴えており、府警は実態解明を進める。

 他に逮捕されたのは、同社元役員の渡辺琢仁(たくと)容疑者(29)。逮捕容疑は2017年2月〜18年3月、大阪市西区の9階建てオフィスビルの所有者に実在する医療法人を紹介。「法人がビルに入居することを内諾し、後は内装工事について調整するのみだ」などと架空の計画を説明したうえで、工事費として受け取った約3億円を詐取したとしている。府警は2人の認否を明らかにしていない。



 府警捜査2課などによると、椎葉容疑者らはビルを借り上げる契約を所有者と締結。偽造した法人名義の入居申込書や印鑑証明書を所有者側に提示し、内装工事の請負契約も結んでいたとされる。

 工事は18年4月末の工期を過ぎても実施されず、コンサル会社側は「施工会社の手続きが遅れている」などと説明。計画そのものが架空だった疑いが発覚し、このビル所有者は19年に府警に告訴していた。



 民間の信用調査会社によると、08年2月に設立されたコンサル会社は医療関連ビジネスの相談事業なども手がけていたとされ、18年6月期の営業収益は約52億円。しかし18年夏ごろから、取引先との間で金銭トラブルなどが発生し、資金繰りに窮していたとされる。【沼田亮、木島諒子】