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毎日新聞 2022/1/15 09:55(最終更新 1/15 10:28) 684文字




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火災発生当日、煙を上げて燃える倉庫=大阪市此花区で2021年11月29日午前9時44分、本社ヘリから木葉健二撮影

 大阪市此花区の人工島・舞洲(まいしま)にある「日立物流西日本」舞洲営業所で2021年11月に起きた倉庫火災で、大阪府警は15日、派遣社員の少年(19)=府内在住=を現住建造物等放火の疑いで逮捕した。火災は倉庫特有の構造上の問題から消火活動が難航し、鎮火までに丸5日がかかっていた。少年は「同僚から暴行を受け、一緒に働きたくないから別々にしてほしくて火を付けた」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は11月29日午前8時35〜45分ごろ、鉄骨鉄筋コンクリート造りの6階建て倉庫(延べ約5万3000平方メートル)の1階で、「パレット」と呼ばれる運搬用の紙製の台に火を放ち、倉庫を全焼させたとしている。「ターボライターで火を付けた」と供述している。出火当時、倉庫内にいた同社の従業員ら約130人にけがはなかったが、周辺で煙を吸い込んだ女性1人が救急搬送されていた。




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火災発生当日、煙を上げて燃える倉庫=大阪市此花区で2021年11月29日午前9時43分、本社ヘリから木葉健二撮影

 府警捜査1課によると、1月14日午前8時55分ごろ、大阪市西淀川区中島2の5階建て倉庫「プロロジスパーク大阪4」の日立物流西日本が借りている区画で、段ボールが焼ける火災があった。けが人はなく、約2時間半後に鎮火した。舞洲の倉庫火災後、少年の勤務先は西淀川に移っており、14日の火災を受けて府警が少年を含む派遣社員らに事情を聴いたところ、少年が西淀川と舞洲の火災への関与を認めたという。

 舞洲の倉庫は3〜6階に医薬品や食品などの商品が保管されており、多くが焼けたとされる。倉庫は窓が少なく、内部に熱気と煙がこもっていたため、消火活動が難航。発生から丸5日が過ぎた12月4日夕に鎮火した。【安元久美子、郡悠介】