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毎日新聞 2022/1/16 20:11(最終更新 1/16 20:11) 564文字




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トンガ沖で起きた海底火山の大規模な噴火で噴き上がる火山灰や水蒸気=トンガ政府機関のフェイスブックから

 日本時間16日午後7時現在、トンガ国内の詳しい被害の状況は分かっていないが、死者やけが人は公式には報告されていない。ニュージーランド(NZ)政府によると、トンガの首都ヌクアロファでは停電が発生し、インターネットや一般の電話回線による通信が難しい状況が続いている。近海の海底通信ケーブルが影響を受けた可能性があるという。

 トンガは約170の島で構成され、うち30以上の島に10万6000人が定住している。米太平洋津波警報センターによると、今回噴火した海底火山から約65キロ離れたヌクアロファでは80センチの津波が観測された。



 16日に記者会見したNZのアーダン首相は、在トンガ公館からの情報として「ヌクアロファ(の街)は厚い火山灰に覆われているが、それ以外は落ち着いている」と述べた。降灰の影響で飲料水の確保が急務といい、NZの海軍が緊急支援の準備を進めていると説明した。

 噴火による津波は太平洋各地で観測された。南米チリの国家緊急対策室によると、火山から8500キロ以上離れた北部アタカマ州で1・9メートルの津波を観測。米観測機関によると、西部カリフォルニア州で1・31メートル、同アラスカ州で1メートルを観測した。



 噴煙は上空1万5000メートルに達したと推定され、今後、航空交通網に影響が生じる可能性もある。【日下部元美】