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2022年01月17日17時25分

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衆院本会議で外交演説をする林芳正外相=17日午後、国会内




 林芳正外相は17日の衆院本会議で外交演説を行った。対中外交について、東シナ海での一方的な現状変更は認められないと指摘し「冷静かつ毅然(きぜん)と対応する」と強調。台湾海峡の平和と安定の重要性を訴えるとともに、香港や新疆ウイグル自治区での人権状況に「深刻な懸念」を表明した。


 一方、中国に対し「主張すべきは主張し、責任ある行動を求めつつ、共通の課題については協力する」とも呼び掛けた。さらに、国交正常化50年の節目を迎えることを踏まえ「建設的かつ安定的な日中関係」の構築を目指すと打ち出した。
 林氏は日米同盟の抑止力、対処力強化も訴え、日本の防衛力強化を目指す意向を示した。「自由で開かれたインド太平洋」実現に向け、米国だけでなく、オーストラリアやインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)、欧州といった「パートナー国」との連携強化を図ると強調。日米豪印4カ国による「クアッド」の枠組み重視も掲げた。
 日韓関係については、元徴用工や慰安婦問題を挙げ「国と国の約束を守ることは国家間の基本」と指摘、韓国側に適切な対応を求めた。ミサイル開発を続ける北朝鮮に対しては、日米、日米韓の枠組みで緊密に連携し、完全な非核化を目指す考えを示した。
 ロシアとの北方領土交渉では「首脳間、外相間で緊密に対話を重ねることが必要」とし、日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速するとしたシンガポール合意を含め、「両国間の諸合意を踏まえてしっかり取り組む」と述べた。