https://www.jiji.com/jc/article?k=2022011800764
2022年01月18日16時20分




 【シドニー時事】海底火山の噴火とそれに伴う津波に襲われた南太平洋の島国トンガで、今回の災害に関連し初の死者が確認された。18日には複数が死亡したとの情報も入った。被害状況が次第に明らかになりつつある中、被災した離島から助けを求める信号が発信されたが、連絡が取れず救助作業は困難を極めている。火山灰の影響で、外国政府による救援物資輸送も難航している。
 死亡が確認されたのは、首都ヌクアロファで動物愛護の活動を行っている英国人女性アンジェラ・グローバーさん(50)。世話をしている犬を助けようとして、波にさらわれた。親族がメディアに明らかにした。
 18日のニュージーランド(NZ)公共テレビTVNZによると、トンガにあるNZの高等弁務官事務所は、3人が死亡したとの未確認情報があると説明した。グローバーさんがこの3人に含まれるかは分からないという。被災地の通信状況が悪く、安否確認が難航している。
 NZ政府は18日、救援物資を積んだ軍の輸送機をトンガに派遣する予定だった。しかし、トンガの空港に積もった灰のため着陸できず、出発を見合わせた。代わりに物資を搭載した海軍の船が出航し、支援要請に直ちに対応できる準備を整えた。灰などによって水が汚染された恐れがあり、飲料水の供給が急務となっている。
 トンガでは海底ケーブルが一部で切断され、外国との電話がつながりにくい状況が続いている。マフタNZ外相は「通信問題によって、今回の災害対応が特に難しくなっている」と語った。