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毎日新聞 2022/1/20 18:03(最終更新 1/20 18:03) 440文字




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江戸時代の金を運ぶ姿を再現した「御金荷の道ウォーク」=佐渡を世界遺産にする会提供

 政府は、文化審議会が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産の推薦候補に選んだ「佐渡島の金山」(新潟県佐渡市)について、2023年の登録に向けた推薦を見送る調整に入った。複数の政府関係者が20日、明らかにした。韓国の反発などで登録が見通せないためで、近く正式決定する。

 文化審は21年12月、佐渡島の金山を推薦候補に選んだが、韓国政府が「かつて朝鮮半島出身者の強制労働の現場だった」などと反発。日本政府は申請期限の2月1日までに韓国を説得するめどが立たないと判断した。



 日本は、「南京大虐殺」に関する資料が15年にユネスコの「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録されたことに反発。ユネスコ加盟各国に呼びかけ、加盟国の反対がある限り登録されない制度を21年に導入させた経緯がある。

 世界文化遺産はこの制度の対象外だが、佐渡島の金山に関し、外務省幹部は「日本が反対するものは登録させないと言っておいて、他国が反対するものは関係ないとはいかない」と語った。【飼手勇介、東久保逸夫】