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2022年01月23日07時11分

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昨年12月に消息不明となってから撮影されたとみられる中国の人権活動家、唐吉田氏(支援者提供)




 【北京時事】中国の著名な人権活動家で元弁護士の唐吉田氏(53)が昨年12月から消息不明となり、拘束されたと不安視する見方が強まっている。唐氏は日本にいる重体の娘に会うため出国を求め続けているが、当局から「国家安全」を理由に阻止されてきた。他にも弁護士やジャーナリストらが何人も行方不明になっているという情報もあり、識者は来月4日に開幕する北京冬季五輪を前にした統制強化を疑っている。


 唐氏は昨年12月10日の国際人権デーに、北京の欧州連合(EU)代表部でイベントに出席する予定だった。しかし、当日になって知人に「代表部周辺は安全ではない」と連絡し、会場に姿を現さないまま消息不明となった。
 12月20日に別の知人と連絡できた際、「10年前と同じだ」と話したという。2011年2月に拘束されたとき、厳しい尋問を受けた唐氏は、解放後に肺結核を患った。
 唐氏の長女は日本留学中の昨年4月、東京都内の自宅で倒れ、重病で現在も意識不明の状態が続いている。唐氏は6月、娘を見舞うため日本へ渡航しようとしたが、「国家安全」を理由に福建省の空港で当局に阻止された。
 支援を続ける東大の阿古智子教授は、五輪や3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)を前に「不安定要素とみられたのではないか」と推測する。唐氏が拘束されたとの見方を示し「五輪や全人代が終わるまで続く可能性がある。命が危ない状態の家族に会うことも許されず、そこまでして守るべき『国家安全』とは一体何なのか」と話している。
 中国で人権問題を扱うサイト「維権網」によると、同じく先月から行方が分からなくなっていた民主活動家の郭飛雄(本名・楊茂東)氏(55)が今月12日、「国家政権転覆扇動」の疑いで広東省広州市当局に逮捕された。郭氏は米国でがんを患う妻に会うため出国を求めていたが、当局に阻まれてきた。妻は今月10日、再会を果たせないまま亡くなった。