https://hochi.news/articles/20220125-OHT1T51209.html
2022年1月26日 6時0分スポーツ報知

https://hochi.news/images/2022/01/25/20220125-OHT1I51303-L.jpg
帽子を深くかぶり東京地裁を後にする木下富美子被告



 東京都議選期間中などに無免許運転を繰り返したとして、道交法違反の罪で在宅起訴され、議員辞職した元都議の木下富美子被告(55)の初公判が25日、東京地裁で開かれた。検察側は「日常的に繰り返し、情状酌量の余地はない」として懲役10月を求刑した。

 検察側は冒頭陳述などで、都議会議事堂への登庁や街頭演説に向かう際に無免許運転をしたと明らかにし、2017年から約4年間で計12回、ミニバイクの運転中などに交通違反をしたとも指摘した。

 木下被告は、黒のジャケットに、緑のスカート姿で出廷。被告人質問では、時折涙声になり、新型コロナ感染拡大を理由に「選挙活動の手伝いで運転できる人が少なく、自分でするしかなかった。都議選へのプレッシャーでまともな判断ができなかった」と釈明。その上で「規範意識が薄かった」と謝罪した。

 木下被告は21年7月、都議選板橋区選挙区に「都民ファーストの会」から出馬し、再選。しかし投開票翌日の7月5日、選挙期間中の同2日に無免許運転で停車中の車にぶつかり、乗っていた男性ら2人に軽傷を負わせたのに逃げ、公表しなかったことが発覚した。

 東京地検は11月に、当て逃げなどは不起訴としたが、21年5月29日〜7月2日に計7回、無免許運転をしたとして在宅起訴。事故発覚後は、体調不良を理由に議会を欠席し続けて批判が殺到し、事故から約4か月半後に小池百合子都知事の助言を受けて、辞職届を提出していた。

 閉廷後、木下被告は報道陣の前に姿を現したが、マスクを着け、緑色の帽子を目深にかぶったままで、表情は見えず。報道陣からの「求刑は懲役10月となりましたが」との問い掛けにも一切応じることなく、タクシーへと乗り込んだ。判決は2月15日に言い渡される。